【開封・レビュー】猫目カメラで闇夜を写す。光るスマホの「OPPO Reno7 Pro 5G」

2021年11月25日に中国向けに発売されたOPPOのスマホ「Reno7 Pro 5G」。
ソニーが新たに開発した3200万画素のセルフィーカメラIMX709、光るカメラリングと色鮮やかな背面パネルが特徴。
[主なスペック]
Dimensity 1200-MAX、8GB+256GB、5000万画素3眼メインカメラ、90Hz駆動FHD+ OLEDディスプレイ、4500mAhバッテリー
価格:3699元(約66000円)

個装箱

細長い箱はOPPOスマホの定番。
蓋を開けると「在我眼里你会发光」(私の目にはあなたが輝いてみえる)とメッセージ。
Mi MIX FOLDの箱にもCEOからのメッセージが書かれていました。
こういった演出も開封を楽しませてくれます。

モデル名:PFDM00
今回購入したのは星雨心愿というカラー。

ドキュメントケースの下に本体。

MP4 / 4MB 音声無し

とても気持ち良い箱の開閉感。
開ける時は蓋を持てば下箱の自重でゆっくりと開いていきます。閉じる時は蓋の自重でゆっくりと閉じていきます。
開け閉めの適度な抵抗は箱内の気圧変化によって生じていて、蓋との隙間から空気がフシューッと出入りしていることを手で感じ取ることができます。
OPPOはこの開閉感を意図的にチューニングしているのかもしれません。

本体

巻くタイプの輸送用の保護シートには「Featherweight design (羽根のような軽さのデザイン)」と書かれています。

残念ながら輸送用の保護シートがズレて押し込まれていたため端の部分がクシャクシャに。
本体の上に出ているはずのトレイを持ち上げるためのタブも本体の下に隠れてしまっていました。
工場での梱包作業はあまり丁寧ではないようです。

フラットタイプのディスプレイ。保護フィルムが貼られています。
ガラスはGorilla Glass 5を使用しています。

背面はサラサラタッチのすりガラス。少し粗めなのにガリガリするような凹凸がないという不思議な感触です。
防汚コートが強力で、指が表面をスーッと滑っていく感覚が気持ちよくてクセになります。
ガラスなのに絹のように滑らか。つい撫でてしまいます。

光を反射させると浮かび上がる流星のようなテクスチャはLDI(Laser Direct Imaging)で作り出されたガラスの僅かな凹凸によるもの。拡大してみると微細な波状の線の集まりが刻印されていることがわかります。
OPPOが公表している「120万個におよぶ8ミクロンのスターレインライトマーク」というのはこの波状の刻印の数を言っているのだと思われます。
BYD Electronicsとの共同開発によって実現した独自のフォトリソグラフィ技術と発表されています。
本体色の星雨心愿(星の雨の願い)というネーミングにふさわしい美しい表現です。

光の当たる角度で色が変わります。水彩絵の具のような色の混じりあいが綺麗。

MP4 / 5MB 音声無し

青、紫、水色、オレンジと動的に色が幻想的に変化します。

構成

ディスプレイガラスと背面ガラスでフレームを挟む構造。
フレームは艶消し仕上げの金属製。光沢面が一切無く、鈍く光る金属光沢が柔らかな印象をあたえています。

ざっと見たところで3カ所ほどの傷がありました。
触って分かるほどの深い傷もありここは残念ポイント。

ファンクション

天面部にサブマイク。近接センサーと照度センサーはイヤースピーカーの右横にあります。
底面部にカードスロット、マイク、Type-Cコネクタ、Bottomスピーカー。
イヤホンジャック、通知LEDは無し。ワイヤレス充電には非対応。

サイドキーは金属製で心地良いカチッとしたクリック感。電源キーには分かりやすく緑のラインが入っています。
ボリュームキーが本体の左側、電源キーが右側にあるiPhoneと同じ配置となっています。

カードスロット

裏表に1枚ずつカードを取り付けるタイプのデュアルSIM対応カードトレイ。SDカードは非対応。
非防水ながらゴムパッキンが付いています。このゴムパッキンも半透明の紫色でオシャレ。
SIMカードトレイ取り出し用のピンがOPPOロゴの「O」の字を模しているように見えるのは意図的なものだったりするのでしょうか。

リアカメラ

5000万画素のメインカメラ、800万画素の広角カメラ、200万画素のマクロカメラの3眼構成。フラッシュは1灯。
メインカメラの横に色温度センサーがあります。

パネルは高さを2段階に分けたデザイン。
1段目の白っぽいパネルはセラミック製。2段目の青いパネルはアルミ製。
OPPOによるとこのセラミックは一般的な金属の10倍の硬度を持ち、独自の表面処理によって高い耐擦傷性と耐摩耗性をもっているとのこと。

セラミックパネルも背面のガラスと同様、角度によって青、紫、ピンクと連続的に色を変えて妖艶な表情を見せてくれます。セラミック特有の艶、滑らかな輝きがデザインに繊細さと華やかさを加えています。
OPPOはFind Xの時からセラミックをデザインのアクセントに使用しており、強度や装飾技術の研究を継続的に行っているようです。

重さ

重さは実測で182g。

厚さ

本体部分の厚さは約7.77mm。またもやメーカー公称の7.45mmとは乖離が大きい結果に。
中華メーカースマホはこのように実値との差が大きい傾向があります。

カメラ部分の厚さは10.15mm。カメラの出っ張り量は約2.38mm。

付属品

保護ケース、SIM取り出し用のピン、充電器、USBケーブルが付属。

充電器

充電器はVCA7HACH。
日本のコンセントに直接挿せる充電器で海外でも使える240V対応品。PSEマークはありません。
プラグ部を除いて長さ55mm、厚み31mm、幅55.5mm。重さは96g。かなり重いので持ち運びには向きません。
充電プロファイルは2つで最大65Wを出力可能。
・5V 2A (10W)
・10V 6.5A (65W)

USBケーブルはType-A to C。
長さは1m。太さは直径4.0mmで少し硬さがあります。

保護ケース

保護ケースはTPU製で少し青がかった色味。側面に「RENO」ロゴが刻印されています。

ケースの装着状態のサイズは幅76mm、長さ161mm、厚さ9.17mm(縁を含む)。重さは203g。
ケース自体の厚みは背面部1.2mm、側面部1.3~1.5mm、重さは20g。
高い透明度で本体の綺麗な色を損なうことはありません。

カメラ部分も高過ぎず低過ぎずの絶妙な加減に調整されたケースの縁で保護されています。
側面がサラサラの艶消しになっていてTPU特有のネトっとした感触が無く心地良い手触り。
フィット感も抜群で黄ばみもなく細部の仕上がりも良いため、市販品を購入する必要はありません。
付属品のケースとは思えない素晴らしい出来栄えです。

電源ON

Androidバージョンは11。ColorOSバージョンは12。
RAMは8GBに加えて3GBが拡張されています。拡張サイズは調整が可能。2GB、3GB、5GBから選択することができます。

画質

ディスプレイは2400×1080ピクセル(FHD+)のOLED。RGB配列は変則RGBデルタ配列。
厳密に観察すると全体的に粒状感があり少しギラつきを感じますがよほど敏感でない限り気になることは無いレベル。
色合いはやや緑色寄りな印象。リフレッシュレートは60Hz、90Hzを選択することが可能。
ディスプレイを傾けた時の色の変化はほとんどありません。
動画再生時の精細さが今一つで少しぼやけたような画質になるのが気になります。

緑のサブピクセルのみ縦方向に2つに割れていてそれぞれ個別に輝度制御ができるようになっています。
文字の境界部分を見てみると片方のピクセルが点灯している様子が分かります。
目で認識しやすい緑のピクセルの輝度をより細かくすることにより文字の輪郭ボケやチラつきを抑えているものと考えられます。

指紋センサー

指紋センサーは画面内のインディスプレイセンサータイプ。
認証は高速でストレスフリー。

フロントカメラ

IMX709フロントカメラは3200万画素。ピンホール型でステータスバーの幅は約6.7mm。

猫目カメラと名付けただけあって高感度を活かした暗所撮影が得意。
右の写真は日が沈んだ夕暮れの室内で環境光がほとんど無い状態でもかなり明るく撮れています。
この時自動で選択されたISO感度は6049。光源はほぼディスプレイの光のみという環境でここまで明るく撮影できました。
解像度は4896×6528ピクセルです。

拡大してみると明るいところで撮影した画像は毛の一本一本の質感が分かるような解像感があります。
暗いところでは明るく撮ることはできたものの、精細さ、解像感は失われます。

サウンド

イヤースピーカーをスピーカーと兼用するデュアルスピーカー仕様。
端末の左右が入れ替わるとそれに追従してLRが反転するランドスケープには非対応。
音質は高音寄りでシャリ感が強め。欲をいえばもう少し音の重さが欲しいところ。

LED

そしてこのモデルの目玉ともいえるカメラパネルのLED発光。

セラミックパネルと背面ガラスに挟まれている半透明の部分が発光面。
ぐるっと一周継ぎ目無く収まっています。

明るい環境でもしっかりと発光を認識することができます。目立った光ムラもありません。

MP4 / 5MB 音声無し

ふわっと優しく光る様は夜空の優しさのよう。
柔らかい光がパネルを照らす間接照明効果により眩し過ぎるようなことはありません。

セラミックパネルのフチがほんのりと光を透過して幻想的。金属パネルではできない演出です。
もはや通知ランプではなく照明の域に達しようとしています。

どのようにしてこの美しい照明を実現したのか、内部構造を分解記事で詳しく分析しています。

そして2022年7月13日に背面が光るNothing phone(1)が発売されました。

phone(1)はReno7 Proの優しく穏やかな灯りと異なり、鮮烈な発光が特徴です。

カメラ画質

標準モードでのフルオート撮影。
標準モードは5000万画素のカメラモジュールを使用し、1300万画素(4096×3072ピクセル)で撮影されます。

標準モードと広角モードの比較。

マクロモードでは200万画素(1600×1200ピクセル)で撮影されます。
被写体まで4cmくらいまで寄って撮影可能。

5000万画素モードでは8192×6144ピクセルで撮影されます。この画像だと元のファイルサイズは20MB。
木にかけられたプレートの文字も何とか読めますが他の高解像度カメラ搭載モデルに比べると少しぼやけが目立ちます。

充電速度

専用充電器を接続するとSUPER VOOCが起動。

付属の充電器を使ってスリープ状態で5%から満充電までにかかる時間はたったの35分。
1分あたりの平均充電量は121mAhに達し、Mi MIX FOLDの104mAhを上回りました。

充電中の本体の最高温度も約35℃と少し暖かい程度。デュアルセルバッテリー構造によって発熱が抑えられているのかもしれません。充電器は49℃で急速充電器としては標準的。
充電器が充電中に発するノイズは耳障りな音ではなく意識して聴こうとしなければほとんど聞こえません。寝室での使用も可能なレベルです。

講評

美しい背面ガラスと光るカメラパネルで他に無いデザインを実現しつつ、高感度のセルフィーカメラ、驚きの速さの急速充電、セラミック外装素材など新しい要素をたくさん盛り込んだ挑戦的なスマホ。
OPPOにとっても他社にとっても新しい指標になりそうな特別な存在感を持っています。

そんな魅力に溢れた一台ですが、66000円はちょっと高いかなという印象。
ディスプレイ画質、カメラ画質、スピーカー音質といった普段使いで重視されやすい部分が少し物足りなくどちらかというとデザイン優勢で、5万円台なら納得感が得られそうな体験でした。