【分解】光ファイバー搭載。美しき間接照明が光る OPPO「Reno7 Pro 5G」を分解

22/05/22分解

カメラ周りが光る特徴を持ったスマホ「OPPO Reno7 Pro 5G」を分解します。

背面ガラス

背面のパネルはガラス製。両面テープで貼り付けられています。
カメラ横にNFCアンテナがあります。

BYD Electronicsと共同開発したLDI(Laser Direct Imaging)で表面に無数の凹凸が刻まれ、光を反射させると流星のようなテクスチャが浮かび上がります。
ガラス自体は無色透明で裏面に色のついたシートを貼り付けてあります。色違いのシートによってカラーバリエーションを作っています。
シート込みで厚さが0.68mmなのでガラスの厚さは0.6mmと推測されます。

カメラパネル

ベースフレームを固定する4本のネジを見ただけでこの先に複雑な構造があるということを想像させられます。

ネジはセレーション付きで低頭の特殊仕様。座面のギザギザで緩み止め効果を高めています。
プラス溝が浅く一般的なドライバーでは簡単に溝を潰してしまうので注意が必要。

わざわざネジ留めしているのに背面ガラスとフレームの間にテープが貼られています。
この両面テープはフレームを接着するだけでなく、カメラパネルを綺麗に発光させるための光学部材になっています。
表が白、裏が黒の2層構造になっていて白い面でリフレクター効果で光の拡散効率を高め、黒い面で光の透過による減衰を防止している、というわけです。

セラミックパネル、アルミパネルは両面テープで固定。

発光の構造

ライティングユニットはLED基板、ファイバー状のライトガイド、コネクタの3つの部品で構成。
これらが背面ガラス上の乳白色の導光ケースの中に収められています。

ライトガイドの側面には細かい凹凸が設けられています。全体で均一な光量になるようにこの凹凸で光の拡散を調整しています。

コネクタを外してみると2つのチップLEDがファイバーの先端に構えているところが見えます。

LEDは1チップにつき発光素子2灯の計4灯で発光。
1チップ内で異なる色が発光するLEDを使い、緑と青の光を混ぜることで鮮やかなパステルブルーの光色を生み出しています。
美しい光の演出は光を混ぜるという高度なチューニングによって実現しています。

ファイバーの光ムラが導光ケースによってさらに拡散され、ムラの無い均一な発光になっています。

MP4 / 5MB 音声無し

複雑な構造と繊細な調整により無機質な光を見事に柔らかな灯りに変えて美しい照明効果を生み出しています。

分解前の発光はレビュー記事内の動画で確認できます。

背面パネルと導光ケースは継ぎ目無く一体化していて外すことはできません。

基板カバー

カバーを固定しているネジは2種類。10本中3本だけ赤色の緩み止めが使われています。
ネジ自体には違いが無いように見え、ネジ穴にも差分は無さそう。色分けしている理由は不明。

カバーは板金との一体成型品。その板金を介して大型の放熱シートに熱を伝えます。
カメラのフラッシュLEDと色温度センサーも一緒に外れます。

カメラ

各カメラのモジュールは以下の通り。
メイン 50MP:SONY IMX766
広角 8MP:SONY IMX355
マクロ 2MP:OmniVision OV02B10
セルフィー 32MP:SONY IMX709

バッテリー

タブを引っ張ってバッテリーを剥がします。
縦割りのデュアルセルバッテリーのため真ん中で折れるように浮き上がります。片方が剥がれたら逆側も同様にタブを引っ張って剥がすことができます。

ツールを使わず簡単に、安全に剥がすことが可能。

・モデル名:BLP905
・PSEマークなし
・容量:4500mAh (2250mAh×2セル)
・メーカー:ATL
・サイズ:縦90×横64×厚さ4.37mm
・重量:62g

メイン基板

導熱グリスで基板の熱をメインフレームへ放熱。

銅箔テープの下には白い導熱パッド。空間を導熱材料で埋めて放熱効率を高めます。

コネクタを保護する全てのパッキンはゴム系素材を使用。
シールドは全てはんだで固定されていて開けることはできません。

イヤースピーカー、近接 / 環境光センサー

近接/環境光センサーはイヤースピーカーの右隣にあります。

電源キー

キートップを外側から入れてストッパーを差し込んで抜け止めする構造。
パッキンはありませんがキースイッチのはんだ部がコーティングされています。

金属製の板バネでキートップにテンションをかけることでキーのぐらつきや傾きを軽減します。
長期的に安定した押し感が維持されることが期待できます。

ボリュームキー

構造は電源キーと同様。
こちらもキースイッチのはんだ部がコーティングされています。

ボリュームキーにも金属製の板バネ。
電源キーより短いキートップに合わせてバネの形状も変更。よく考えられた仕組みでキーの押し心地に対する相当なこだわりを感じます。

BtoB FPC

メイン基板とサブ基板を接続するFPC。
カバーを固定するネジはまたもや1本だけ色違い。

サブ基板

USBコネクタが別体となりSIMカードスロットがギリギリ乗るサイズまで小型化された基板。
SDカードが非対応なのは大きなスロットを乗せる場所が確保できないから、という事情があるのかもしれません。

裏面はコネクタがびっしり。
青い部品はゴム素材のパッキンです。このパッキンの出来が良く、相手のコネクタとしっかり密着していました。

バネ接点の高さ調整のためか基板を一枚嚙ませて底上げする面白い構造。

スピーカー、バイブ、USBコネクタ

スピーカーはエンクロージャータイプ。指紋センサーと大型のバイブに押される形でコンパクトサイズになっています。音質がいまひとつなのは容積が小さいことも影響していそうです。開口部は防水構造になっておらず浸水に注意が必要なポイントです。
バイブはリニアアクチュエータータイプの角型モジュール。非常にパワフルな振動を生み出していました。
USBコネクタは非防水ながらパッキン付きの簡易防水仕様。FPCで直接メイン基板に接続します。
急速充電で65Wもの電力を供給するためには基板に直結する方が効率が良いのかもしれません。

画面内指紋センサー

センサーはカメラを使った光学式。
光を透過するOLEDの特性を利用してディスプレイ越しに指紋を読み取ります。

読み取りエリアに指を当ててディスプレイ裏側の穴を覗いてみるとはっきりと指紋が見えます。
・濃い色→指紋の山の部分。指先の油分や水分によってディスプレイに貼りついて濃い色として見える。
・薄い色→指紋の谷の部分。ディスプレイ表面から浮いているためOLEDモジュールの素の色に見える。
こうして浮かび上がった模様をカメラで認識しています。
指先が乾燥していると認証精度が落ちるのは、指紋がディスプレイ表面に貼りつかずカメラからは平面に見えてしまう、ということが原因と考えられます。
濡れた指の場合は逆に全面が貼りついてしまい、これもまたカメラからは平面に見えてしまうために認証できない、ということのようです。

同軸ケーブル

Bottom側のアンテナに信号を伝送するための同軸ケーブルは2本。

ディスプレイ

ディスプレイは接着剤と両面テープでメインフレームに固定。
両面テープはOLEDモジュールの裏面に広範囲に強力に貼られているため、破損無く分離させることは至難の業。修理によるディスプレイの再利用は考慮されていません。
ガラスの厚さは0.6mmです。

メインフレーム

アルミと樹脂の一体成型で作られたメインフレーム。綺麗に切削された様子から加工精度の高さが伺えます。

放熱構造

熱拡散シートを剥がして中央に見える銅色のプレートは基板を冷却する液冷システム、ベイパーチャンバーです。非常に高い熱伝導性で基板の熱を素早く吸収し広範囲に拡散します。
76mm×31mmという大型のチャンバーは見るからに冷えそうな雰囲気を漂わせています。

熱拡散シートもかなり大型でかつ厚みがあるものを使用しています。公式の発表によるとこのシートだけでもReno6 Pro比で熱電伝導率を30%向上。
3つの冷却部品による今回の冷却構造は「3D Constant Cooling Central Cooling System」と名付けられ、手持ち部の発熱を軽減した、とされています。

分解完了

ただカメラ周りを光らせたのではなく幻想的な照明効果を得るために独自の構造を考案し、光色を混ぜるという繊細な調整を施しているとは思いもせず、派手さや奇抜な色で存在感を強めていた中華系スマホが芸術性の領域に足を踏み入れようとしているということを感じさせる一台でした。
高機能なものも低価格なものもいくらでも作れる。だからこんなものも作る、というような余裕すら感じられます。
スペックや価格の競争が食傷気味にある中、技術とアイデアをデザインに投じるという姿勢が新しい方向性を示しています。
流星をモチーフにした背面ガラスと星の瞬きのような灯り。スマホのデザインの表現方法を定義し、スマホの向かう先を示す"作品"と言えるのではないでしょうか。

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