【開封・レビュー】Felicaも使える格安5Gスマホ、ソフトバンク版「Xiaomi Redmi Note 9T 5G」をレビュー。

21/02/28

Redmi 9Tと同時に発表され2月26日に発売となった税込21600円、ソフトバンク専売の5Gスマホ「Xiaomi Redmi Note 9T 5G」をレビューします。

個装箱

ソフトバンク版もグローバル版と同じく箱にフィルムラミネートされています。破れや目立つ傷はありません。

モデル名:A001XM
ソフトバンク版で選択できるのは4GB / 64GBのみ。今回購入したのはDaybreak Purpleというカラー。
ラベル右上の見慣れない「Producte」表記について調べると、スペインのカタルーニャ語という言語でこのスペルがある模様。ただし「code」が英表記のため、これは誤植の可能性があります。

アクセサリーボックスの下に本体。

Redmi note 9Sと同じ構成。
USBケーブルを束ねるリボンがプラスチックから紙に変わっています。

本体

巻くタイプの輸送用の保護シート。
見慣れない日本語表記はソフトバンク仕様です。

キャリアモデルにありがちな大量の注意書きや免責の文言が一切書かれていないグローバル仕様。余計なノイズが無く、開封の喜びに集中できます。
今回はRedmi 9Tの時のようにシートが激しく折れたりしていません。

メタリック系の塗装により金属調に光ります。
すみれ色に近い紫で派手過ぎずなかなか綺麗な色です。
樹脂製でも剛性感がありカッチリとした造り。

不規則な形状の微細な凹凸が成型されています。よく見るとたくさんの曲線が交差するような配置にデザインされています。
手触りが非常に良くザラザラとサラサラの中間のような感触。
安っぽくなりがちな樹脂製の外装に特徴を持たせつつ指紋を目立たなくさせるよく考えられた意匠ですが、使用に伴う摩耗で凹凸が消失してしまう懸念があります。

フラットタイプのディスプレイ。
保護フィルムが貼られています。ハードコート処理も入っているようで全然このまま使えるレベル。
フィルムのために予算を割かなくていいのは本当に嬉しいものです。

構成

お椀状の樹脂製ケースにディスプレイで蓋をするバスタブ構造。背面パネルはありません。

ファンクション

底面部にイヤホンジャック、マイク、Type-Cコネクタ、Bottomスピーカー。
天面部にサブマイク、赤外線ポート、Topスピーカー。
通知LEDは非搭載、ワイヤレス充電も非対応。

同梱されている「お願いとご注意」には赤外線センサーが使用できないとの記載がありますが実際は使用可能。
Miリモートアプリをダウンロードして設定したらテレビを操作できました。赤外光が発光していることも確認できました。
動作保証しないという意味での表記なのかもしれません。

樹脂製のサイドキー。
電源キー兼用の指紋センサーはエッジが鋭く、触った時にガリガリ感があります。
ガリ感にボタンのぐらつきが相まって少しチープな感じになってしまっています。
この個体はボリュームキーの側面には塗装時のゴミが付着していて結構目立ちます。

カードスロット

nanoSIMカード1枚とSDカードを同時に使用できるスロット。
デュアルSIMだったグローバル版とは異なり、SIMスロット2が塞がれていて使用できません。よってDSDVには非対応。
非防水ながら赤いゴムパッキンが付いています。

リアカメラ

4800万画素のメインカメラ、200万画素のマクロカメラ、深度センサーカメラの3眼構成。
残念ながら広角カメラは非搭載。
カメラ部分の本体厚は10.7mm。その他の本体厚が9.3mmなのでカメラのでっぱり量は1.4mm。
カメラパネルはしっかりと防汚処理されたガラスが使用されており、指紋汚れも付きにくく簡単に汚れが拭き取れます。
複雑で凝ったデザインでRedmi 9Tと差異化されています。

重さ

重さは実測で201g。持ちやすい形状によって苦になる重さではありません。

付属品

保護ケース、充電器、USBケーブル、SIM取り出し用のピンが付属。

充電器

充電器はRedmi 9Tと全く同じMDY-11-EQ。
PSEマーク付きで日本のコンセントに直接挿せる充電器。海外でも使える240V対応品。
プラグ部を除いて長さ50mm、厚み26.5mm、幅41.4mm。重さは60g。
充電プロファイルは4つで最大22.5Wを出力可能。
・5V 3A (15W)
・9V 2.23A (20.07W)
・12V 1.67A (20.04W)
・10V 2.25A (22.5W)
QuickCharge3.0+に対応します。

USBケーブルはType-A to C。
長さは1m。太さは直径3.5mmで少し硬さがあります。

保護ケース

保護ケースはTPU製で若干黄ばみがあります。
側面に「DESIGNED BY REDMI」と刻印されています。

ケースを着けると幅79.5mm、長さ165mm、厚さ11.2mmになります。重さは221g。
ケースの厚みは部位によって1mm~2mm、重さは20gほどということになります。

ケースに厚みがあるため電源キーが奥まって少し押しにくくなります。
USBコネクタ部分のキャップは今回は省略。
フチの部分の黄ばみが目立って気になります。

電源ON

Androidバージョンは10。
使用できる内部ストレージは50GB以下なのでSDカードは必須。
技適も取得しています。

画質

ディスプレイは液晶です。「く」の字状にRGBが配列しています。
角度による暗さや色の変化は少なく明るさも必要十分。ユーザー評価がイマイチだったRedmi 9Tの液晶に比べると気持ち見やすくなっているように感じます。

また、公式ではリフレッシュレート90Hzの液晶パネルと記載がありましたが、テストサイトの測定では60Hzでした。
部品としては90Hzで実動作は60Hzに制限されているのかもしれません。
それでもスクロールはスルスルとスムーズ。

ただし負荷に応じてフレームレートを意図的に制御しているようで、例えばYoutubeで60FPSの動画を全画面で視聴している時にFPSが低下します。(SurfaceView値:60FPS→50FPS)
縦表示に切り替えると60FPSに復帰しました。

指紋センサー

認証は高速で一瞬タップするだけでも指紋を認識。
画面が点灯して操作ができるようになるまでのタイムラグもかなり短くなっています。
指紋を登録すればキーを押さなくても触れるだけでロック解除できます。

フロントカメラ

1300万画素のフロントカメラはピンホール型でステータスバーの幅は6mm。
カメラ枠の下端が少しはみ出していますが目がいかなければ気にならない程度。

サウンド

レシーバーをスピーカーと兼用するステレオスピーカー仕様。
Lchが特徴的で、耳当て部分と天面の穴の2ヵ所から音が出ます。
これは左右のバランスをとるための施策と思われ、手持ちではもちろんのことテーブルに置いて離れて聴いても音の広がりが良くしっかりと音が届きます。
そしてランドスケープに対応。端末の左右が入れ替わるとそれに追従してLRが反転するようになっています。スマホを持つ方向を気にする必要はありません。
ただし通話時も天面部の穴から音が出てしまうため、相手の声が周囲に漏れやすいということを意識する必要があります。

カメラ画質

標準モードでのフルオート撮影。
標準モードは1200万画素(4000×2992ピクセル)で撮影されます。

曇り空の高層ビル群を標準モードで撮影。
AIが曇天を検出し、色味の無い被写体を少し鮮やかに補正してくれました。

マクロは200万画素で少し解像感がもの足りません。

充電速度

充電はスリープ時実測で約13W(9.03V/1.44A)。

付属の充電器を使ってスリープ状態で5%から満充電までにかかる時間は1時間58分。
1分1%の速度で一直線に充電し、85%を超えた辺りからから徐々に速度を落とします。最後の5%は特に強い制限が介入して30分程度かかります。 そのためトータルで見ると充電速度はかなりゆっくり。
給電量の変化は13W→2.5W。電圧は9V前後で固定です。

講評

先行で発売されたRedmi 9Tと比べると質感も動作も1ランク上といった印象でした。
カメラ周りや背面の仕上げがより美しくなりデザイン性が向上、スムーズな動作にFelica対応というローカライズも含めてバランスが良い端末です。

低価格でおサイフが使えるスマホが欲しい、5Gも試してみたい…という今時の需要に合っていると言えますが、それだけにとどまらないのがXiaomiの怖いところ。
とりあえずの気持ちでXiaomiを使ってその快適性を知ってしまうと、次もXiaomiを買ってみようと思わせる誘惑が秘められています。

ナニソレ性能をこれ見よがしに主張する製品が多い中、Xiaomiは使ってみて感じる快適さ、愉しさを製品に閉じ込めるのが非常に上手く、それがクセになるように商品設計されています。
日本に馴染み深いメーカーが作る「格安スマホ」とはまるで別物と言えるでしょう。