【レビュー】カメラ以外はどんな感じ?「日本版 Xiaomi Mi note 10」電源を入れて動作を確認。

19/12/25

1億800万画素5眼カメラを搭載した「日本版Mi note10」の電源を入れて気になるところをチェックしていきます。

今回は動作編です。外観のレビューは別記事でより詳しく紹介しています。

電源ON

ブート画面。

一瞬英語表記が出ます。
電源投入直後の最初のインターフェイスでこういう表示が出ると「あれ?日本版なのに大丈夫?」と思ってしまうのが日本市場の繊細さだと思います。

最新のMIUI 11がプリセット。
「Life gets easier」カッコイイ。

ドロップ型ノッチは幅9mm高さ4.5mm程。
大きくもなく小さくもないサイズ感。

テーマ選択で文字切れがあります。
「クラ…ック」「リミ…レス」「ラデ…ンス」海外スマホにはよくある出来事ですが、慣れない人にとっては新しいスマホを使おうという高揚感に少し水を差すことになるかもしれません。

「ラデ…ンス」を選択してのホーム画面。
しっかりGoogleアプリが入っています。

Googleアカウント上では「Mi CC9 Pro」(中国向けのモデル名)として認識されました。

内部仕様

・モデル名 M1910F4G
・MIUI 11.0.5.0(PFDMIXM)→グローバルROM
・Android ver.9(Pie)
・Qualcomm Snapdragon 730G 2.2GHz オクタコア(8コア)
・内部ストレージ 128GB中113.52GB利用可能

Android10だと思っていたら9でした。
ビームが使えます。

APNは自動で設定されました。
難しいことは何も考えずSIMを挿すだけでOKです。

基本動作

画面スクロールはちょっとガリガリ感があり引っ掛かりを感じます。
動作の滑らかさはiPhoneに遠く及びませんが、遅延する程ではなく許容範囲。
RAMが8GBのPro版は少し違いがあるかもしれません。

ダークテーマが使えます。
黒色部分はOLEDが消灯しているので消費電力が下がり電池持ちが良くなります。目にも優しいテーマです。

重量

重さはスペック208gに対して210g。
長時間の手持ちにはちょっと辛い重さです。

本体を分解して重量の理由を別記事で解説しています。

対称的な最軽量級 Rakuten Mini の分解を別記事で紹介しています。

技適

技適は電子銘版にて確認できます。

ディスプレイ

ディスプレイは2340×1080ピクセル(FHD+)のOLED。
RGB配列を既存モデルと比較すると
左:Mi9t Pro…ダイヤモンド
右:Mi note 10…RGBデルタ
ダイヤモンド配列の方が高精細な表示が可能で、実際細かい文字をよく見るとMi note10は文字の輪郭がほんの僅かに不明瞭です。

角度によってかなり色味が変化します。
少しでも角度をつけると青っぽく暗くなってしまいます。
自分に、もしくは画面を見せたい相手に向かって常に正面に向けることを意識する必要がありこれには結構ストレスを感じます。

ディスプレイが湾曲した部分でモヤが見えるのも気になります。
影に見えているのではなくこれも視野角の変化によって青黒く見えている現象です。
ただ暗いだけでなくギラツキを伴ったなんとも気持ち悪い感じで、特に白系の画面の時に両端が気になって仕方ありません。

Mi note 10は青紫の反射があります。
左はXiaomiのMi9T Proです。反射の具合が違います。
真上にスポットライトがある時などはこの青い反射が強く、ちょっと気になりました。

これらのディスプレイの特徴は3DガラスのOLEDディスプレイ採用機によく見られるもので、この機種も例に漏れずという結果でした。

通話

標準でVolteに対応。
今回はGoogle HangoutでVoIPの音声品質を試してみました。
ホワイトノイズが強く、常にサーッという音が聞こえてきます。
ハンズフリー通話においては、端末から少し離れると声がキャンセルされてしまい相手側でかなり聞き取りにくくなるという傾向がありました。
ノイズキャンセルが強いのか周囲の雑音が混じる環境でのハンズフリー通話はその傾向がより顕著で、自分の声がほとんど消されてしまい会話が困難になることがありました。
周囲が静かな所ではまずまずですが、ノイズキャンセルや騒音環境下でのチューニングをもう少し頑張ってほしいところです。

サウンド

音量は十分ですが低音が控えめでやや軽い音質。
音量を上げるとシャリシャリして少々耳障りな音です。

指紋センサー

指を検知するとセンサー部分が白く発光して読み取りが行われます。
認証にかかる時間は0.3~0.4秒程でしょうか。Mi9T Proと比較すると精度も高くより速く認証完了しているように感じます。
認証範囲が広いのか、これまでほどセンサー位置を意識して指を置かなくても認証されます。
これは非常にありがたく、とっさのアンロックも思い通りにできます。

指紋センサーについては分解記事で内部構造を解説しています。

メインカメラ

108MPで撮るとこんな感じ。
撮影した画像をズームすると本当に細かいところまでしっかり描写されています。
異次元の解像度に思わず笑ってしまいます。

108MPで撮影した画像のデータサイズは9MB~15MBくらい。
解像度は12032×9024ピクセル(!!)で、なんと4Kディスプレイ13枚相当になります。
最初のプレビューには少し読み込み時間がかかるものの、それ以降は待たされることなく表示されるようになります。

108MPモードでは普段のスマホカメラの感覚で撮影するとやたらボケます。

いつもの倍くらい離れて撮ると広くフォーカスが合っていい感じに。
でもそれではトリミングする手間があるので近距離撮影時は108MPをOFFにして撮ることが多くなりそうです。

イルミネーションをオートで撮るとかなりあっさりした色味に補正されました。

プロモードで実際の見た目に近い色に手動で調整しました。
ホワイトバランス調整は操作の階層が深くて面倒なので結局ほとんど標準設定のあっさり色味で撮るハメに。
カメラ周りのUIは使いやすいとはいえず、ワンタップで全ての動作が切替できるようなスピード感のあるものに改善されることを期待します。

マクロは2cmくらいまで寄れます。
200万画素なので画質は相応。
細かいディテールはいらないけどとにかく近くで撮りたいといった時に便利ですし、いつもと違った面白い構図にできたりと結構楽しいものです。

シャッター音

画質どうこう以前にシャッター音が爆音でうるさい。しかもパキッとした高音系でかなり耳障り。
シャッター音関連の設定は無く、その他の音量設定にも連動しません。
ただし地域を日本以外の国に設定するとカメラアプリの設定の中に「カメラ音」が表示され任意でON/OFFできるようです。

フラッシュLED

カメラモードで「ライト」を選ぶとクリアレンズ側が光ります。
懐中電灯モードでもここが光ります。

「ソフトライト」を選ぶと乳白レンズ側が光ります。
また文字切れ起こしてますけど。

それぞれの光り方の比較。
右のソフトライトの方が光色が黄色く、やや暗めでボヤっと光る感じ。
どちらも飛び出し過ぎたカメラが影になって光の広がりが左右非対称になっています。

バイブ

恐らくリニアバイブレーター。
振動はかなりマイルドで振動音はブーンではなくフォンッといった感じ。

急速充電

付属の充電器を接続すると「CHARGE TURBO」と表示され急速充電されていることが一目で分かります。
ケーブルをAnkerのType-Cケーブルに交換してみても同じ動作でした。

画面下部に「急速充電中」表示。

画面上部にはダブル稲妻アイコン。

同梱の純正充電器を使って充電速度を計測してみます。
電池残量5%から充電を開始します。

充電器の詳細は開封の記事で詳しく紹介しています。

68分で満充電になりました。
5260mAhもの大容量を1時間で満充電にできるというのには驚きですが、さすがに多少の発熱があります。
本体は人肌より少し高い温度に、充電器はもっと高温になります。
身の危険を感じるほどではありませんが布団の上など熱がこもる場所での使用は避けた方が安心です。

試しにQuickChrge2.0充電器を使ってみると「急速充電」表示に。
使用した充電器はSoftBank SELECTION SB-AC12-HDQC/WH と Anker USB-C & Micro USB アダプタ です。

かと思えばロック画面では「高速充電中」。
どちらも「高速」に合わせてあればより分かりやすかったと思います。

講評

スマホカメラにそこまでの解像度が必要かという議論をよく耳にしますが、いるかいらないかではなく純粋に撮っていて楽しいと思いました。
撮った後のドキドキや写真を見る喜びがこれまでのスマホとは明らかに違うんですね。
1億800万画素という前人未踏の世界を感じる度に笑顔になってしまうのです。

超解像なだけあってこのカメラはとても繊細で、デジカメの知識をよく理解している方がより快適に使えます。
誰がどんな場面でどんな撮り方をしても108MPを活かした超美麗な写真が撮れるオールラウンダーではないため、高画質なカメラをインスタントに使いたいというユーザーに対しては少し苦労を強いるかもしれません。
でもそういうところの改善も時間の問題でしょう。

気になったのはディスプレイ。これはあまり良いとは言えません。
見る角度による強烈な色変化と、正面から見た時の左右エッジ部分のモヤが常に気になってしまうのです。

それでもやっぱり持つ喜びは大きく、人のクリエイティビティを刺激して色んな物を撮ってみようと思わせてくれる刺激的なモデルだと思います。