良モデル再び。「SAMSUNG Galaxy S25」を先代モデルS24と見比べる。

2025年1月22日に発表され、グローバル版が2月7日に発売となったSamsung Galaxy S25。
完成度がますます高まったハードウェアを先代モデルS24と比較しました。

1ShopMobileの購入体験がとても良かった

今回用意したのは香港版SM-S9310 Silver Shadow。
利用した海外通販サイト1ShopMobileでの購入体験は安い、早い、高品質で大変満足のいくものでした。

配送業者はFedEx。頑丈な段ボール箱で送られてきて中身にダメージは一切無し。パッケージの角も潰れ無くピンピン。
外箱すら綺麗で格安海外通販とは比較にならない輸送品質です。
おまけでチープなワイヤレスチャージャーとコンセントプラグ変換アダプターが付いていました。

注文後2日で届いた

注文当日に香港を出発し、翌日昼には日本の通関を通過、その翌日朝に届くという海外通販とは思えない早さで配送されました。
それでいて東京への送料はなんと無料。さらに諸税は1ShopMobileが負担します。
支払いは表示価格のみ。円表示でレート計算も不要。難しいことを考える必要が無く、国内の通販のように購入することができました。

パッケージ

端末のシルエットが彫刻された御影石のようなテクスチャのパッケージ。

アクティベーションのために一度開封されていますが、下側のシールは切らずに残して上側のシールだけを綺麗に剥がして新しく貼り替えてくれています。
販売者が商品を丁寧に扱い、盗難やすり替えの対策を意識していることが伺えます。

付属品

付属品はUSBC-CケーブルとSIMカード取り出しピン。充電器、保護ケースは付属しません。ケーブルは長さ1mで直径3mm。細くて柔らかく使い勝手が良いものになっています。

輸送用保護シートは真っ黒で注意書きが一切ありません。S24にあったSIMピンの挿入口の案内表記も無くなりついに無地になりました。

完全フラットなディスプレイガラス

隅々まで完全フラットなディスプレイガラス。ガラス素材はCorning Gorilla Glass Victus2でS24から変更なし。
ディスプレイ保護フィルムは貼られていません。

S24から0.4mm薄く5g軽くなったS25はiPhone16Proよりひと回り小さいサイズで1mm以上薄く約40gも軽量。
小さな手でも扱いやすく、200g前後が主流のハイエンドスマートフォンの中で貴重な小型軽量モデルです。

更に見やすくなったディスプレイ

6.2インチLTPO AMOLEDディスプレイで解像度は2340 x 1080のFHD+。
色合いが自然でとても見やすかったS24からさらにギラつき感を抑えてマイルドになったように感じます。
文字のにじみやフリンジも少なくスッキリした見心地。日光が当たる屋外でもしっかり画面が見える明るいディスプレイです。

可変リフレッシュレートの制御は少し変更

ディスプレイは表示の動きに合わせてリフレッシュレートを変化させる可変リフレッシュレートに対応し、バッテリーの消費を抑制します。
Androidの開発者オプションの表示によると、動きがある時は120Hz、動きが少ない時は24Hzに切り替え、状況によっては60Hzと30Hzを併用。120Hzの除数に当たる4種類の駆動周波数が確認できます。
興味深いのは全く動きの無い時に"–“表示となること。これはS24ではみられないもので何を意味しているのかは不明ですが、極端に低いレートで駆動しているなどOSでは表記できない特殊な処理を行っているのかもしれません。
ディスプレイの制御はS24から何かしら変更されているようです。

GPUのレンダリングレートは1〜120fpsの範囲で状況に応じて1fps刻みの細かい制御をしていて、ディスプレイのリフレッシュレートとは同期していません。画面が静止状態では1〜3fpsと極端に低いレートで動作しています。この時のGPUの負荷は1%未満とほとんど無負荷状態。
リフレッシュレートとレンダリングレートを相互にコントロールして最低限の電力で駆動させつつ、カクつきや引っ掛かりなどが起きないようにチューニングされています。
速い動きも遅い動きもチラつきや残像感が少なくとても滑らか。裏でこのような複雑な制御が行われていることを微塵も感じさせません。

深みを増した背面

Silver Shadowの名に相応しく、影を吸い込むような色が風格を漂わせます。
どんな環境下でも重厚な落ち着きを放ちます。

質感を増したサイドフレーム

armor aluminum"2″に進化したサイドフレームは艶消し加工がきめ細かくなってしっとりとした手触りになりました。
カメラリングとフレームの光沢が調和して全体の一体感を生み、一つの物体としてまとまりを感じさせます。

印象的なカメラリング

S24から大きく変更されたカメラリング。シンプルだったS24に比べると随分と大型化しています。
ところが実物を見ると思ったよりも威圧感がありません。ここにはSAMSUNGが仕込んだデザインの妙技に理由があります。

カメラを真横から見てみるとリングを薄くして根元部分に少し隙間を設けていることが分かります。
隙間で生じる深い影がリングが浮いているかのような錯覚を引き起こし、この浮遊感によってでっぱりを低く見せ、軽やかさを演出している、というわけです。
それに加えてこのリング側面の何とも美しい質感。綺麗に加工痕を残した鈍い光沢が目を惹き、精密に加工された金属が放つ魅力が溢れています。
人知れずデザインを巧みに操るSAMSUNG。中華系メーカーでは感じられない日本的な繊細さや趣きを持ち合わせています。

目で見たままに撮れる自然なカメラを継承

標準モードでは4000×3000ピクセルの12MPで撮影されます。
空の広がり、木々や白波も緻密に表現され、穏やかな海の雰囲気が伝わってくるような一枚が撮れました。

色味や質感も正確に記録することができます。太陽光が透ける街路樹の緑やカラフルなフルーツも生き生きと色鮮やか。
撮りたいものを見つけたらカメラを起動してシャッターボタンを押せば、複雑な設定をしなくても気軽に撮って目で見たまま自然に撮影できる良いカメラです。
こうしたiPhoneのカメラに似た特性はS24からそのまま引き継いでいて特に変化は感じられません。
他社の高画質モデルのような情緒的で雰囲気のある描写には不向き。
悪く言えば味気無く、良く言えば大げさにならない、極ナチュラル志向のカメラです。

夜景も明るく綺麗に撮れます。細かい部分のディテールの損失も気になるほどではありません。
シャッター音はシステム音の設定とリンクしていてサイレントモードに切り替えると消音になります。

進化を感じるUSB周り

USBコネクタ周りにも変更があり、アンテナスリットの位置が左右対称になって見た目が綺麗になりました。これに伴いスピーカー穴が拡張されています。
並べて見るとS25の薄さが際立ち、わずか0.4mmの差でも目で分かるほどの違いがあります。
たった0.4mmを削ぎ落とすだけでも大変な設計変更を伴うことは想像に容易く、この違いがS25がS24の単なる焼き増しでは無いことを物語っています。

保護ケースは流用できない

上面には気圧調整穴とサブマイクがあります。S24とは少し位置が異なります。
S25にS24のケースを装着すると各部の穴位置がズレてしまい、本体厚さの違いからフィット感も悪く、大型化したカメラリングが干渉することからケースは流用せず専用品を使用することをお勧めします。

ガラスフィルムは流用できる

ディスプレイのサイズと形はS24と同じ。S24のガラスを置いてみるとピッタリ収まります。
ただしこのガラスフィルムを貼ると指紋認証の速度・精度が明らかに低下。認証に時間がかかるようになり、指が少しでも乾いていたり湿っていたりすると失敗するようになりました。
フィルムが無い状態では指先の状態にあまり左右されず瞬間的に認証されます。

使用したガラスフィルム

ステレオスピーカー

音質面ではS24から目立った変化はありません。
中音域が弱めで高音が少々騒々しいのも変わらず。低音域は厚みを欠きながらも頑張って出しています。
下から上まで音域は広いのに所々抜けたような感じでまとまりがいまひとつ。
サラウンドはDolby Atmosに対応。素で立体感が強いため今回もあまり効果は感じられません。
手元で聴くとシャリ感が目立ちますが、距離を置いてみると余計な音域が減衰して聴きやすくなります。
S24同様に中~遠距離で本領を発揮するチューニングになっているように感じます。
本体の向きに応じて左右を入れ替えるランドスケープに対応しています。

デュアルSIM

型番SM-S9310は日本国内版と異なり、2枚のnanoSIMカードを取り付けられるデュアルSIMに対応し、eSIMには非対応。
パッキン付きのSIMカードトレイで防水防塵等級はIP68に準拠。ここには目立った変更はありません。

抜群の完成度の純正シリコンケース

サイズは実測で幅74×高さ150×厚さ9.8(カメラ部10.5)mmで、重さは25g。
ポリカーボネートの基材に薄膜のシリコン膜を張ることで樹脂製ケースのような芯を持ちながらシリコンの柔らかさと手触りを併せ持っています。
シリコンと聞いて想像するブヨブヨした感触はなく、カチッとした樹脂ケースの感触。
ケースの厚さは1.5mm。ハイブリッド素材のおかげでシリコンにしては薄く軽量なケースに仕上がっています。
※型番:EF-PS931 カラー:ブラック

キー部分は異色のシリコンで一体成型。細かい所も綺麗に成型されています。キーの位置が認識しやすく、キーが押しにくくなることもなくとてもよくできています。

カメラリング部分はメタリック調の樹脂製。カメラより0.5mm程高くなっていてカメラを守ります。
ディスプレイ周りの縁の高さは1mm。ガラスに被らないようになっているので保護フィルムが干渉する心配もありません。
USB開口部は幅16.5×高さ7mmと大きく開いていて、よほど大きなコネクタでなければ問題無く使用できます。

使用したケース

バッテリー容量に合わせた充電速度

有線充電はUSB-PDに対応し最大25Wの充電が可能。4000mAhのバッテリーに合わせた必要十分な速度です。
超急速充電が確立すると専用の効果音と共にダブル稲妻マークが点灯し"超急速充電"と表示されます。
充電速度は実測でもS24と全く同じ結果で、30分で60%、45分で80%、1時間15分で100%でした。
ワイヤレス充電は15W、リバースワイヤレス充電は4.5Wです。Galaxyのワイヤレス充電は充電器との相性が特に出やすいため動作確認済の製品の選択が推奨されます。

Sシリーズの高い完成度を象徴するハードウェア

文句無しに美しく滑らかなディスプレイ、細やかなデザインを際立たせる高いビルドクオリティ、分かりやすく親切なUI。
S24同様に目立った不便や不快感が無い良モデルで、一層完成度を高めてきました。

ハードウェアとソフトウェアの素晴らしい調和は、Appleを除けばSAMSUNGだけが到達しているといえる次元にあり、他社を大きく引き離し競争の余地が無いほどに優れています。
スペックに表れない使い勝手の良さも秀逸。一度使うと他に移れなくなる中毒性があり、使えば使うほどにその価値の深さを思い知らされます。
SAMSUNGはこういったGalaxy Sシリーズの真価をよく熟知していて、迷いなく真っ直ぐに目指すべき方向へ進んでいるようです。
S25もSAMSUNGの方向性を色濃く示し、AndroidにおけるGalaxyシリーズの地位を確固たるものにしています。
強い主張や押し付けが無いのもこのスマホの特徴。クセがなく人を選ばず長く使えます。

○000mAの大容量バッテリーとか、著名なカメラメーカーの監修とか、そんな華やかな驚きが無くても、堅実に磨き上げられた製品ならではの魅力を備えています。

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