【レビュー】気取らず優しいデザインの低コストスマホ「Xiaomi Redmi 12C」
まさかのmicroUSBを搭載して2023年3月16日に発売されたXiaomiの格安SIMフリースマホ「Redmi 12C」をレビューします。
パッケージ
付属品が仕切り無く放り込まれ、本体が袋入りの簡易梱包。コスト削減の一環かと思われますが、粗雑な印象はありません。
付属品
付属品は充電器、USBケーブル、スタートアップガイド、保証に関する書類、SIMカード取り出しピン。
保護ケースは付属しません。
充電器とUSBケーブル
microUSBケーブルは全長80cmでデータ通信にも対応。
充電器はプラグ固定式でType-Aコネクタ用。
モデル名:MDY-09-EQ
PSE:あり
出力:5V/2A
最大出力:10W
入力:100V~240V(海外対応)
本体
ディスプレイに貼られているのは輸送用の保護シート。背面は半ツヤ塗装仕上げのプラスチック製。
無理して気取るのではなく安いからこそのデザインに仕立てたおかげで、分相応で優しい雰囲気に。
特徴的な背面の模様
うっすらと浮かび上がるボーダー模様は光の当たり具合で見え方が変わります。
ミルキーなカラーで柔らかな印象を受けます。
ボーダー模様は樹脂成型で作られた細かい凹凸の組み合わせで表現しています。
このザラザラとした触感のおかげで指紋汚れも軽減され、光による見え方の変化は表面のパール系塗装によって更に増幅されています。
構成
ディスプレイはエッジ部分のRが一切無い完全フラットタイプ。保護フィルムは貼られていません。
側面と背面は継ぎ目の無い一体型。側面部も半ツヤの塗装仕上げでパール感があります。
各部は目立った隙間もなくピッチリと組み立てられています。
ファンクション
底面部にスピーカー、microUSBコネクタ、マイク。天面部に3.5mmイヤホンジャックがあります。
NFC、FeliCaは非対応。おサイフケータイは使用できません。
懐かしのmicroUSB
USBコネクタは裏表があるmicroUSB。新しいモデルに旧式コネクタというギャップに不思議な感覚を覚えます。
しかし実用性はまた別の話。扱いやすさはType-Cに遠く及びません。
日本の市場をターゲットに作られた製品ではないため致し方ない部分ではあるものの、身の周りの機器のType-C化が進んだ日本においては、せっかく揃えた充電器やケーブルといったアクセサリをそのまま共用できないのが痛手になります。
それはXiaomiも分かっているはずで、ここには難しい判断があったのではないかと想像します。
SDカード対応のカードスロット
2枚のnano SIMカードと1TBまでのmicroSDカードを同時に使用できるトリプルカードスロット。eSIMは非対応。
開口部にはゴムパッキン付きでホコリや水気の侵入を防いでいます。
サイドキー
プラスチック製のサイドキー。
グラつきなくカチッとした押し心地。隙間も小さく精度良く作らています。
指紋センサーを取り込んだカメラパネル
指紋センサーは直径9mmと少し小さめでカメラ周りのデザインの中に上手く溶け込んでいます。
このような配置になったのは5000mAhの大型バッテリーによってセンサーの位置が上の方に押されてしまい、それならばカメラデザインに取り込んでしまおうという発想によるものかと推測されますが、要素が集約したことでまとまりのあるデザインに。
グリーンのカメラパネル部分は背面カバーと一体。一段高くして凹凸のテクスチャを除いたことで別体のパネルであるかのように見せかけています。
部品点数を削減できて構造も組み立て作業もシンプルになり、隙間や傾きの心配もありません。
大型バッテリーをかわしながら特徴的なデザインを成立させ、コストも抑えるという多くの要件を同時に満たすXiaomiならではの設計になっています。
指紋センサーの使い勝手
指紋センサーは標準的な配置のOPPO Reno5Aと比べると9mm上の位置にあります。
底面からセンサーまでの距離は129.5mm。
カメラパネル内にあることでより上方にあるように錯覚し「遠くて触りにくそう」という印象を受けますが、実際に使ってみると距離的な意味では見た目の印象ほど悪くはありません。
どちらかというと周囲に似たような低い段差が密集しているためにそこに紛れたセンサー面を探し当てにくいことの方が気になります。
ディスプレイ画質
1650×720ピクセルのHD+解像度にしてはスッキリした映像で発色もまずまず。
格安スマホでよくある淡白でのっぺりとした画質ではなく、思っていた以上の色鮮やかさ。
黒が落ちて煌びやかな表現もできています。メリハリを感じられます。
ディスプレイのリフレッシュレートは60Hz、タッチサンプリングレートは120Hzです。
60FPSのYoutube動画も滑らかに再生できます。
視野角が狭い液晶パネル
視野角がやや狭く手持ちの距離感ではどんな角度で見てもどこかしらの画面端に暗さが出てしまいます。
特に通常視点で認識できる画面下付近の黄色いムラは白背景のwebサイトなどで目立ちます。
サウンド
スピーカーは底面の1ヵ所のみ。
高域と低域をカットしたような中間的な音質で音域は狭め。繊細な音質ではありません。
軽い音で反響感が強いため騒がしく聴こえますが、耳障りな高音が少ないのが救い。
拡張可能なメモリ
メモリは標準の3GBに加えて最大2GBまで(4GB+128GBモデルなら7GBまで)を拡張可能。拡張分はストレージを使用します。
メモリを増強しても動作は快速というわけにはいかずズルズルとしていて、素早い操作をするとついてこれないことがあります。
ユーザーがスマホのリズムに合わせて操作する必要があります。
アプリが落ちるようなことは無くとも操作が遅れてついてくるような場面も。
カメラ作例
標準モードでのフルオート撮影。
5000万画素のカメラモジュールを使用し、1300万画素(3072×4080ピクセル)で撮影されます。
明るさと鮮やかさが物足りない点、フォーカスが思った通りに合わせにくい点などが気になりました。
充電速度
付属の充電器とAnkerの急速充電器を使ってバッテリー残量5%→100%までにかかる充電時間を比較。
所要時間 | |
付属充電器 (10W) | 2時間25分 |
Anker 735 Charger (22.5W) | 2時間45分 |
5000mAhの大容量バッテリーを10Wの速度で充電するにはさすがに時間がかかり、付属の充電器で要した時間は2時間25分。
急速充電器でも10W以上を出力することが無かったことから、Redmi 12Cの充電能力は最大10Wまでということになりそうです。
低スペックならではの使い方もありそう
意外だったのはワイヤレスのディスプレイミラーリングが常用できたことで、動画配信サイトも映像が止まったりすること無く表示することができました。
長時間のミラーリングでもバッテリーの減りは緩やかで発熱も僅か。
大容量バッテリーで低スペックという仕様を活かした使い方が他にもありそうです。
講評
ただ安い部品を集めてスマホの形にしただけのローエンドではなく、キーの押し感やデザインなどの質感に目を向けて作られたモデルでした。
独特な位置の指紋センサー周りの構造にみられるように新しい形を生み出す前衛的なコスト削減ができるのはXiaomiならではのことで、安価なモデルで成功し成長してきたXiaomiの真骨頂を体感することができます。
しかし価格設定にはやや割高感があり、決め手を欠いた状態で競合モデルが存在する価格帯に入ってしまい優位性を示しにくくなっています。
そんな難しいポジションに飛び込みながら、格安でも出来が良くてオシャレなスマホの選択肢を増やしてくれたことには頭が下がる思いです。
発表するやいなや手厳しい反応が多く飛び交ったのは主要スマホメーカーの一角として広く認められているからこそのものであり、成功の裏返しなのかもしれない、と感じるところです。
このモデルの分解はこちら。
ディスカッション
コメント一覧
流石に今更マイクロUSBはありえないなあ
騙されて買う人が出ないようにしっかりと
販売する際は大きく表示してほしい
そんなのちゃんと調べずに買う方が悪い
microusbの時点でゴミ確定
買う価値0だわ