【分解】中身はまるでiPhone8。成熟を極めた「第2世代 iPhone SE」を分解。

20/04/23分解

第2世代iPhone SE(SIMフリー版)を分解します。
第1世代の2016年3月31の発売から丸4年の歳月を経て登場しました。
コンパクトで角ばった第1世代のようなデザインを期待していたファンにとってはちょっとガッカリだったかもしれない後継機。どのような中身になっているのでしょうか。

ディスプレイの取り外し

いつものネジを抜くところから始まります。
ネジには防水パッキンが付いています。

防水モデルとあってディスプレイは両面テープで貼り付けられています。一度開けるとテープがちぎれてしまうため再利用はできません。
そして見覚えのあるこの眺め、iPhone8と見分けがつきません。
ユーザーが見ることのないところであってもブラックとシルバーで美しく統一された景観にAppleのデザイン思想が垣間見えます。

以前分解したXiaomi Mi note10はカラフルで部品の並びも賑やかでした。

保持板金の下にある5つのコネクタのうち2つのコネクタを外します。
これはLCD、タッチパネル、TouchIDの信号線です。

レシーバー周りのコネクタを外します。
一つのコネクタでインカメラ、レシーバー、センサー系のデバイスを接続しています。

コネクタ周囲はクッションで保護され、ホコリや水などの異物が入り込まないよう配慮されています。

ディスプレイユニットと本体ユニットは簡単に分離します。
たくさんの部品が隙間なく詰め込まれているように見えますが、一つ一つの部品のクリアランスが一般的なスマホよりも大きくとられています。
これはほとんどの部品をネジを用いて固定する構造により部品同士で位置規制をする必要が無いためで、iPhoneならではの特徴でもあります。

SIMカードトレー

裏面にIMEI番号がレーザー刻印されています。
黒い部分が防水用のゴムパッキンです。

開口部にはモデル番号と製造国の刻印。
「Assembled in China」「A2296」と記されています。
国内SIMフリー版は香港版と同じモデル名のようです。

メインカメラ

700万画素のメインカメラは9mm×10mm。
本体側の箱状のフレーム内で強固に守られています。
記憶に新しい1億画素5眼カメラMi note10と比べるととても小さく感じます。

Top側アンテナ

GPS、WiFi、Bluetoothのアンテナ類は基板と本体アルミフレームを中継するように接続されています。

WiFiアンテナとアルミフレームの内壁を固定するネジが斜めに打ち込まれています。
iPhoneでは昔から見られるもので、高い精度の部品と精密な組み立てが可能にする構造です。

基板(Logic Board)

ここにネジが隠れているのもiPhone8譲り。
これに気付かず基板を外そうとすると破損するので注意が必要。

5つのコネクタを外して基板が外れます。
細く伸びた部分はアンテナを兼ねています。

SIMカードスロット部分が最も厚く3.15mm。

両面に熱拡散用と思われる黒いシートが貼ってあります。
iPhoneX以降のハイエンドモデルに見られる2階建て構造ではなく一般的な両面実装の基板です。

Bottom側アンテナ、スピーカー

スピーカーとアンテナFPC、樹脂製の気圧ベント。
L字状のFPCはWiFiとセルラーアンテナの中継線と思われます。

パワフルで豊かな音を奏でるスピーカー。
大型ながら厚みは2.72mmに抑えられています。

バイブモーター(TAPTIC ENGINE)

振動を生み出すモーター、TAPTIC ENGINE。
振動部分は34mm×9.5mmで重さは5g。

LightningコネクタFPC

ボトムFPCの全ての実装部品をUVボンドで固めて補強してあります。
Lightningコネクタの横にある金色の箱状の部品はメインマイクとサブマイク。一般的なスマホと比べると大型のモジュールです。

バッテリー

バッテリーを固定するタブテープは4ヵ所。
タブを引っ張って剥がすタイプで、バッテリーにダメージを与えることなく剥がすことができます。

容量は1821mAh。型番はA2312です。
製造はHuizhou Desay Battery Co.,Ltd(慶州徳賓電池有限公司)というメーカーです。
重さは26gと非常に軽量。

サイドキー

サイドキー+フラッシュLED+サブマイクのFPCはアルミフレーム側面にネジで固定されています。
ディスプレイを固定する3個のバネフックも同様。
Truetoneフラッシュは4個のLED素子が実装されています。

3か所のサイドキーは全て同じ形状。
中央部の大きな黒い部分は無接点充電の給電コイルです。

キートップ、スタビライザー、抜け止めピンの3つの部品で構成され、安定した軽快なクリック感を生み出します。

よく見ると防水パッキンが裂けていました。
組み立て時に発生したものと思われ、今は止水効果を保てていたとしても使用中に防水効果が弱くなっていくことが懸念されます。

本体フレーム

アルミの枠にステンレス板を溶接した箱型フレーム。
かなりの強度を持っていて軽くひねったり曲げたりした程度ではビクともしません。
iPhoneの強度の柱となる部材です。

重さは42g。全体重量の約1/3を占めます。

レシーバー、インカメラ

レシーバーとインカメラ、光学センサー系はディスプレイユニット側に取り付けられています。
この構造は非ノッチタイプの歴代のiPhoneと同じ。
レシーバー開口部にもサブマイクがあり、計4つのマイクが実装されていることが確認できました。

指紋センサー(Touch ID)

指が触れる面は強化ガラスとは比べ物にならない強度を持つサファイアガラス製と言われています。
センサーは本体と紐付けられているため他のTouch IDを移植すると動作しなくなります。

センサー外周はゴムパッキンで防水されています。

放熱/補強板

ディスプレイ裏にねじ止めされている板金は放熱と液晶ムラ抑制のための補強部材と考えられます。

分解完了

以上で分解は完了です。
かなりの部品点数です。特にネジは本数、種類共に他のスマホを遥かに凌いでいます。
全ての部品の設計において極めて高い最適化が行われているものの、耐久性と品質を確保するために惜しむことなく贅を尽くした部品を投入しています。
これらがiPhoneのハードウェアとしての品位を構成する要素であり、この妥協無き設計が製品の完成度に繋がり、多くのユーザーを魅了しているのだと思います。
エントリーモデルでもハイエンドと同レベルの設計思想で統一しているところがAppleの"さすが"と言えるところです。

分解