【レビュー・分解】高機能で良デザイン。自分好みにカスタマイズ可能なメカニカルテンキー「Keychron Q0 Numpad」
6/7に発売されたKeychronのメカニカルテンキー「Q0 Numpad」をレビューします。
メカニカルキーボードQ0シリーズのテンキーで、正式名称は「QMK Customizable Mechanical Number Pad」です。
注文~発送
Keychron公式サイトにて購入。
6/7 22:00頃に注文し、総額は102ドル(USD)でPaypalで支払い。
ー内約ー
・Q0 Numpad Fully Assembled版 販売価格…79ドル
・送料(DHL Express)…23ドル
日本円での最終的な請求額は14025円でした。
6/8 20:00頃にKeychronから出荷連絡メールが届き、6/9 11:00頃にDHLから配送情報が送られてきました。
深セン→香港→成田という経路で、注文から5.5日が経過した6/13 10:00頃に手元に到着。
全てのプロセスが滞り無くスムーズに進みました。
輸送梱包
DHLの袋に入った状態で到着。
パンパンのエアクッションに包まれています。
個装箱
少し角つぶれがあるものの概ね綺麗な状態。
持ってみるとテンキーとは思えないかなりの重量感があります。
今回購入したのはFully Assembled版、Silver Greyカラーの赤軸仕様。
残念ながらBluetooth等の無線には非対応。
硬めのクッションシートでしっかりと梱包。
付属品
キーキャッププラー、スイッチプラー、予備のゴム脚、ドライバー、Type Cケーブル、Type C-A変換プラグが付属。
Type Cケーブルはナイロンのメッシュスリーブタイプ。プラグ先端はゴールドメッキ仕上げ。
Type A変換プラグにまでKeychronロゴを刻印しブランドの強調に余念がありません。
気になるバリが若干気ありながらも扱いやすいキーキャッププラー。
グリップに空けられた穴に指を通して楽にキーを引っ張り上げることができます。
本体
角張ったボディと穏やかに丸みを帯びたキートップが絶妙にマッチ。キーの丸みによる柔らかさをボディの硬質感でキュッと引き締めたような印象。
テンキーといえば殺風景で事務的でデザインとは程遠いものばかり。そんな中でひときわ存在感を放つ希少なモデルです。
傾斜に合わせてキーの凹凸具合を変えています。
はっきりとした直線と平面で構成される背面は無機質でステルス性のありそうなデザイン。
スパっと切り出された石材のようでもあり、巨大構造物を見ているかのような感覚に陥ります。
サイズ
高さは一番高い所で41mm。ロープロファイルキーボードに比べると高さを感じます。
長さは129mm、幅は88mm。
USBコネクタ
有線接続専用のモデルのためケーブルは挿しっぱなしで使用することになるのですが、デスクレイアウトの変更や掃除の際にケーブルが取り外しできるのは日常の取り扱いのしやすさが向上します。
しかもType Cで接続のストレスも軽減。
重さ
重さは442gと何かのおもりかと思えるほどの重量。持ち運びには適していないといっていいでしょう。
支持脚
柔らかめの4点のゴム脚は打鍵時の衝撃を吸収するダンパー的な役割も果たしていそうです。
また、ヘビーな重量と柔らかい脚のおかげでアライメント効果がありガタつきが起きにくくなっています。
傾斜角の調整はできません。
バックライト
フルカラーLEDを搭載し、光色、明るさ、光り方を変更可能。
ゲーミングキーボードのようにレインボーカラーで派手に光らせることもできます。
文字部分は光が透過ません。演出用の発光です。
ケーブルが良く見えるのでカッコイイケーブルがおすすめ。
7色選べるAnkerの柔らかいType-CケーブルPowerLine III Flowがよく似合います。
キートップ
キートップはPBT樹脂製。きめ細かい梨地が指先に心地良い感触です。
文字は樹脂のダブルショットによって成形されていて、印刷と違い摩耗で消えてしまうことがありません。
成形時のゲートも見えないところにあり綺麗に処理されています。
成形の品質もそこまで悪くありません。
キーの厚さは1.2mmほど。
ホットスワップ
スイッチは交換ができるホットスワップに対応。好みのスイッチに乗せ換えることができます。
接点端子は2ピン。
付属のスイッチプラーで全てのスイッチが取り外せます。
プライヤーはスイッチに対して縦方向に持ち、プライヤーの先端で上下の爪を押し下げながらスイッチを引き抜くようにすると外すことができます。
引き抜く時は接点ピンを曲げないように真っすぐ抜くことを意識します。
バックライトLED
バックライトLEDは各キーに1灯ずつ。キーの中心から下側(南側)にLEDがあるSouth facing LEDと呼ばれる配置です。
スイッチのスリットから光が通り抜けるようになっています。
Gateron G Proスイッチ
標準搭載のスイッチはノーマルプロファイルのGateron G Pro。
今回購入したのは赤軸・静音タイプ。加重は45gfでストロークは4mm。クリアボディ、LEDスルーの形状でバックライトに対応。
Q0 Numpadは赤軸の他にも青軸と茶軸を購入時に選択可能。
トップカバー、ステム、バネ、ボトムカバーで構成。
トップカバーの4か所のツメを外して分解することができます。
専用のオープナーを使用しなくても開けることは可能ですが、ルブ化などでたくさんのスイッチを分解する場合はオープナーが便利。
ステムと接点バネが擦れるところにグリスが塗布されています。無色透明で粘度の低いウェットオイル。
この状態でステムを動作させてみると大変滑らかで摩擦は全く感じません。トゥルッとした感触です。
メタルプレート
ドライバーでネジを外せば更に分解を進めることができます。
適合するドライバーはPH(+)0番。
4本のネジを外すと取り出せる鉄製のプレート。剛性がありスイッチをバタつかせずに強固に保持します。
吸音スポンジ(Top)
打鍵時の内部反響を抑えるスポンジ。高密度で固めのスポンジが使われ、メタルプレートと基板の振動を抑制する効果もあるようです。
基板
基板は2本の位置決めボスで正確に位置が定められています。
ネジのボスで位置規制をせずに専用のボスを設けていて精度を考慮して設計していることが伺えます。
ただしUSBコネクタには補強が無くやや強度不安があります。ケーブル挿抜時は負荷がかからないように注意が必要。
主な部品は片面に集中して実装。反対面にはUSBコネクタとリセットスイッチだけを実装。
吸音スポンジ(Bottom)
Top側のスポンジと異なり密度の低いスポンジ。
こちらも基板の振動の抑制を補助し、内部反響を軽減するためのものと思われます。
絶縁シート
最後の部品は黒いプラスチックフィルム。
基板背面の部品とボディの接触を防止し絶縁するためのものと推測。
ボトムケース
アルミ削り出しのモノブロックケース。着色は塗装ではなくアルマイトによるもの。色ムラ無く綺麗です。
精度良く加工され、表面は粗めのシボ加工で少しザラザラに仕上げてあります。
ケースの重量はなんと300g。この重さとサイズは書道で墨を擦る石製のすずりのよう。
総重量442gの68%をこのケース一つが占めています。
キーの傾き防止構造
長いキーのキートップは3点で固定。
スイッチの両サイドにある白い支持部は金属棒で連結され、片方の上下動作にもう片方がリンクする機構になっています。
この機構によるスタビライザー効果でキーのどこを押しても傾くことなく常に水平にキーが上下するようになっています。
金属棒の可動部は粘度の高いグリスが塗布されていてカチャカチャしたりせずヌメッと動きます。
キータイプ音
打鍵音はカコカコ系。音のほとんどはキーを押し切った時と戻った時のスイッチの衝突音です。
ケース内で反響しているような箱鳴り感が僅かにありますが、重量級の金属ケースのおかげで残響が少なくパキッとした硬めの音になっています。
この重くて硬いケースはデスクへの振動の伝播も抑える効果があるようで、キー押下時の衝撃でデスクの天板がバコバコする音も激減しています。
余分な音成分が抑制されているので純粋なメカニカル音を楽しむことができます。
プレルブのおかげかストロークも滑らかで引っ掛かりや擦れは感じられません。
キーマップカスタマイズ
VIAアプリケーションを使用してキーマップをカスタマイズできます。
レイヤーにも対応しているため任意のキーを押している状態でのキーマップを指定し、21キー×3レイヤー=63個のキーを作ることができます。
メディアコントロールキーやキーマクロも使用できるようです。変更はすぐに反映されます。
講評
重厚なケースが作り出すノイズの少ないクリック音、滑らかな押し心地、指当たりの良いキートップ、ホットスワップ、フルカラーLEDに脱着可能なType Cケーブル、キーマップ変更可能と一通りの機能を網羅し、それでいてデザインも良いテンキーです。
キーボードに求められる機能をテンキーに盛り込んだ高機能モデル。選択肢が少ないテンキーにおいて貴重な存在といえます。
購入はKeychron公式サイトにて。
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