薄く、軽く、強く。「Samsung Galaxy S25 Edge」

2025年1月22日、Samsungは突如として薄型スマホ「Galaxy S25 Edge」を発表。まさかのサプライズに驚きが世界を駆け巡る中、4か月後の5月27日に発売されました。
わずか5.8mmという薄さの中にSnapdragon 8 Eliteを閉じ込めた、まるでコンセプトモデルをそのまま製品化したような革新的なデザインが多くの人の興味を惹き付けました。
S25 Edgeは単なるモデル追加にとどまらず、Galaxyシリーズの新たなステージを示す存在となりました。

パッケージから

御影石調テクスチャで質感の高いパッケージ。
側面にはこのモデルを象徴するシルエットが描かれています。

同梱物はSシリーズと同じ。長さ1m、直径3mmのUSBC-CケーブルとSIMカード取り出しピンが同梱。

チタンフレームが放つ高級感

チタンフレームと背面の強化ガラスCorning Gorilla Glass Victus2の組合せはS25 Ultraと同じ構成。
惜しげもなく投入された上位素材によって研ぎ澄まされた刀のような覇気をまとっています。

圧倒的な薄さ、それでいて高剛性

そして何と言ってもこの薄さ。薄板をつまむような感覚に陥ります。
それでいて捻ったり曲げてみたりしても簡単には変形しません。見た目からは想像できないほどカチッとしています。薄さと剛性を両立させる構造設計になっていることが示唆されます。
この薄さ故、熱が表層に出てきやすいため発熱を感じる場面は多くなりますが、負荷が下がればすぐに温度が低下するあたり、熱拡散は効率良く行われているように感じます。

薄くて軽い大画面スマホ

S25との厚さ比較

十分に薄いS25でさえも厚く見せてしまうほどの薄さ。
S25は7.2mm、S25 Edgeは5.8mm。-1.4mmはこれだけのインパクトがあります。
しかし、手に取ってみると軽さにも驚かされることになります。同じ画面サイズのS25+が190gなのに対し、S25 Edgeは163g。162gのS25に1gと迫る軽量スマホでもあります。
大きな画面のスマホを使いたいけど大きいし重いし…といった悩みを同時に解消する希少なモデルです。

カメラ部分は結構な厚さがある

カメラ部分の厚さ

一方でカメラ部分には厚さがあります。
ボディを徹底して薄くした結果、カメラの飛び出し量は4.35mmに達し、最厚部ではS25比で+0.9mmという逆転現象が起きています。
しかしレンズトップまで段階的に高さを上げる形状にしたことで厚みの印象を緩和。デザインでカメラの存在感を巧みにコントロールしています。

専用のカメラモジュール

金属フレームとガラスプレートで構成された機械的なデザインのカメラ周り。精度良く作られた一つ一つの部品が、このモデルがただならぬ存在であることを彷彿とさせます。
メインカメラは手ブレ補正付き光学2倍200MP(2億画素)。SamsungがS25 Edgeのために開発した小型カメラモジュールです。
超広角は12MP。アプリ上の表示によるとセンサーはそれぞれS5KHP2、S5K3LUです。

USBCケーブルよりも薄い?

USBケーブルを挿し込むと、もはやプラグの方が厚いともいえるこの姿。
開口部が背面側にオフセットしていることもあってプラグが少し出っ張ってしまうほどで、今後USBCケーブルも薄型化が求めれるようになっていくのかもしれません。

この薄さで物理SIMが2枚入る

5.8mmの厚さでありながら物理SIMが2枚入ります。 SIMを2枚付けたトレイの厚さは1.6mm。 この差分4.2mmの中にディスプレイ、裏ガラス、基板などを収めていることになります。

専用開発のディスプレイガラス

ディスプレイガラスはS25 EdgeのためにSamsungとCorning社が共同開発したCorning Gorilla Glass Ceramic2。
残念ながらS25 Ultraのような反射防止コーティングはありません。
ディスプレイは120Hzの可変リフレッシュレートに対応する6.7インチQuad HD+(1440×3120ピクセル)のLTPO AMOLED。鮮やかさ、緻密さ、滑らかさはSシリーズと同様文句無しの高画質です。
さらにAIで低解像度の動画をリアルタイムで高解像度に変換するProScalerを搭載。SamsungがTVで培ったアップスケーリング技術をスマホの画面で体験できます。
指紋認証は画面内にあります。

軽度なガラスの歪み

ディスプレイガラスに格子パターンを反射させてみると薄型デバイスの宿命ともいえるガラスの歪みがみられます。
といってもこうしてわざと見ようとしなければ分からないほど軽度で、実用で気になることは無いと言えるレベル。

同じパターンを表示させてみると実際の表示では歪みが無いことが分かります。
歪みはガラスの表面上だけのものでディスプレイとしての性能には影響ありません。
ここは部品、構造設計、組み立ての精度が顕著に表れる部分で、それらが高い次元にあることを物語っています。

音も良い

各部のレイアウトはS25と同様。
音響面も妥協無くデュアルスピーカーでステレオに対応します。
本体の高い剛性のおかげで大音量でも変な反響が無くビビリもほとんど感じれらません。薄型デバイスらしからぬ芯のある安定した音です。
音質はフラットな特性で音の情報量がやや不足気味。解像感が低く透明感に欠けるものの、トゲトゲしさが無い分煩く感じにくく、近距離や長時間向きのチューニングになっています。
控えめな立体感はDolby AtmosをONにすると少し改善されます。

充電速度は標準的

有線充電はUSB-PDに対応し最大25Wの充電が可能。超急速充電が確立するとダブル稲妻マークが点灯し"超急速充電"と表示されます。
充電速度は実測で30分で60%、45分で80%、1時間10分で100%でした。S25と同じです。
また、急速充電はON/OFFが設定でき、最大充電量を80〜100%間で設定した値に制限することも可能。長期使用を想定してバッテリーの消耗を抑えることができます。

ワイヤレス充電も犠牲にしない

薄型を極めるためには真っ先に省かれそうなワイヤレス充電も欠かすことなく対応。
充電能力は15W、リバースワイヤレス充電は4.5Wです。
急速ワイヤレス充電はOFFにすることも可能。発熱を抑えてゆっくりと充電し、バッテリーへのダメージを抑えます。

スマホのこれからを示すデバイス

S25 EdgeはSシリーズの高い完成度と滑らかな使い心地をそのままに、劇的な薄型化・軽量化を実現しました。
それにもかかわらず安っぽさや強度面での不安を感じさせないのは、チタンフレームなどUltra譲りの上位素材を惜しみなく使用し、内部から専用デザインを与えたことによるもの。
さらにこのモデルのために専用のディスプレイガラスとカメラモジュールを開発するなど、Samsungの本気度がうかがえます。
S25 Edgeは間もなく登場するZ Fold7、その次世代モデルへと繋がるキーデバイスとなり、Galaxyの中でもひときわ重要な存在となるでしょう。
そして他社も含めたスマートフォンのこれからにおいても大きな影響を及ぼすことになるはずです。
かつての"Edge"がそうであったように。