【修理】背面のガラスパネルが浮いてきたGalaxy S20 SC-51Aを純正同等仕上げで修理する
新品で購入しサブ機として使用していたドコモ版Galaxy S20(SC-51A)の背面ガラスが浮いてきてしまいました。
室外に持ち出すことはほとんど無く、新しい充電器のテストや他モデルとの性能比較などのテスト用途として約2年ほど使用していたものです。
調べると同じように浮いている例があることから、何らかの条件でガラスが浮いてくる癖があるのかもしれません。
今回は純正相当の両面テープを使って極力工場出荷時の状態に戻す形で修理してみることにしました。
浮きの状況
カメラの近くの角を中心に背面のガラスパネルが浮いています。押すとフカフカしてパネルが剥がれてしまっていることが分かります。
加圧すれば貼りついて一時的に直るもののまたすぐに剥がれてしまいます。
こうなってしまっては水気やゴミの侵入でカメラや基板を損傷させるリスクが高く、使用できる状態ではありません。
浮きの範囲
最初は角の辺りが「もしかして浮いている?」という小さな違和感程度。
時間が経つにつれて段々と剥がれが大きくなり範囲も広がって全体の40%くらいが浮くまでに進行しました。
ガラスパネルを剥がす
隙間に手を入れてめくるだけで簡単に剥がれていきます。柔らかくなった粘着剤が伸びている様子が見えます。
ガラスが割れないようにゆっくり剥がしていきます。
加熱する必要も無く道具も使わずに剥がすことができました。浮いていなかった部分も接着力をほとんど失っていてメリメリと剥がせてしまいます。
両面テープの劣化を疑う
テープの表面を見てみると粘着剤が溶けたように緩くなり、固まる前のスティックのりのようにネトネトしています。
使用中の温度変化や水分によって徐々にテープが劣化して接着力が低下したのかもしれません。
ゴミの侵入確認
心配していた内部への異物の侵入はほとんどありません。
最も浮きが大きかったカメラ周辺にも目立ったゴミ等の付着は無く綺麗な状態でした。
テープの除去
本体側の粘着物は比較的簡単に除去できますがガラスパネル側のテープはしっかりと着いていて厄介な糊残りもあります。
カメラなどに触れないようにしながら丁寧に除去し、クリーナーを使って接着面を綺麗にします。
パネルと本体の隙間に入り込んだ汚れもクリーニングして綺麗にしておきました。
原因を考える
バッテリーの膨らみでパネルが持ち上げられたことを疑いましたが目立った膨らみは無さそう。
真横から見ても平面を保っています。
もしバッテリーに膨張があった場合は自分でバッテリーを交換することは止めておきましょう。
S20のバッテリーは簡単に剥がせる構造になっていません。無理に剥がそうとすると発火する可能性があり大変危険です。
テープを除去したガラスパネルを乗せてみると剥がれが起きた場所に隙間ができます。
これはカメラ周囲にあるサブマイク用のばね接点等がガラスパネルを押し上げていることによるもの。
ガラスパネルには反りも無く、考えられる原因はこの力に劣化が進んだテープが耐えられなくなったため。テープの劣化は本体の発熱によって促進されるものと想像します。
カメラパネルの剥がれが見つかる
と、ここで新たな不具合が発覚。
カメラパネルがグラグラと動いていることに気付き、少し押してみるとポロリと剥がれてしまいました。
背面ガラスと同様に粘着剤が溶けたようになって接着力が低下しています。
追加でカメラパネルのテープも取り寄せが必要になり、古いテープと汚れを除去したところで作業は一旦中断することに。
5日後…
テープは思っていたより早く届いた。
純正品風の両面テープ
ガラスパネルとカメラパネルのテープが揃い、いよいよ貼り付け作業。
形状も粘着剤の雰囲気も純正品そっくり。僅かに歪んだ部分があるものの純正品に近いものが手に入りました。
もし性能まで似ているとなるとまた剥がれが再発する可能性がありますが今回は純正同等仕上げにしたいのでこのまま使用します。
カメラパネルの貼り付け
カメラパネルのテープを台紙から剥がしてガラスパネルに貼り付けます。
この時注意することはガラスパネルのグレー部分がテープの内側に入るように貼り付けること。そうしないと表側からテープが見えてしまいます。
予備しろがほとんど無いためズレないように慎重に。貼り直しはできません。
白い紙などの明るい背景で作業すると見えやすくなります。
剥離紙を剥がしてパネルを乗せたらガラスを割らないよう力加減に注意しつつテープの部分を指でしっかりと圧着。
基板上のマイクは避けて念入りに押していきます。
綺麗に貼れました。
しっかりくっついていて強めに押しても剥がれる気配はありません。
背面ガラスにテープを貼り付け
仮留めするために台紙を切ってテープを1cmほど露出させます。
露出させたテープを貼り付けて綿棒で擦って圧着します。ここもガラスパネルのグレー部分がテープの外側に残るようにします。
仮留めができたら残りの台紙を剥がして全面に貼っていきます。
カメラパネルと違って3D形状面に貼り付けるため難易度は高め。
状態確認と空気抜き
剥離紙を剥がして浮きやヨレが無いことを確認。
この状態で少し放置すると気泡が入った部分が浮いてくるのが見えるので剥離紙を当てて増押しして空気抜きをします。
台紙を分離させる貼り方
台紙を分離させてテープ部分だけにして貼ることもできます。柔軟性が増して位置を細かく補正しながら作業できるようになりますが、コシが無さ過ぎてこれも難易度が高いことには変わりありません。
圧着
ガラスパネルの内側と本体内部にゴミが付着していないことを確認してから貼り合わせます。
隙間無く収まったらテープの形状に沿って圧着します。最初は位置などを確認しながらゆっくり。問題無ければ強めの力で入念に。
完成
テープのはみ出しもパネルの段差も無く新品同様の仕上がりです。
クリーニングしたおかげで隙間に入っていたゴミも無くなってスッキリしました。
小型で薄くて軽いハイエンドという希少なモデルで長く愛用しているユーザーが多そうなS20。
2023年時点で発売から丸3年が経った今でも快適に動作し、ガラスが剥がれたくらいでは手放したくないと思わせる名作スマホの一つです。
長期間使用しているS20は背面ガラスの浮きを時々確認し、浮きが見られる場合は早期に修理に出して快適に継続使用できるようメンテナンスすることをお勧めします。
テープの入手先
自分で修理を試みる場合、中国の通販に抵抗が無ければAliExpressが最も安く購入できますが、国内通販で購入できるところもあります。
・アイキングモバイル(i-KingMobile):部品自体は格安だが送料が高い。納期も長いことが多いがちゃんと届く。カメラ用もある。
・Amazon(検索リンク):たまに売り出される。割高な上に信用できる販売者かどうか怪しい。
※背面ガラスにテープが貼られた状態で販売されているものは不足している部品の移植(難易度高い)が必要になる場合があります。
待望の後継機も登場
そんな名スマホS20ですが、2024年になってようやく乗り換えてもいいかもしれないと思わせる後継機S24シリーズが登場しました。持ちやすい小型軽量はそのままに最新のスペックに進化。Galaxy AIも使えます。SDカードには非対応ながらあらゆる面で快適性が向上しています。
FeliCaも使える日本国内版をSIMフリーで購入することができます。
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